先日の記事「断熱性能はどれくらい必要か」にご質問を頂いたので書いておきます。

「省エネ基準の福井レベルを満たす程度では気温より床温度が低くとありますが、どうしてですか?」

熱伝導率とか計算値で示しても良いのですが、感覚的に分かりやすく説明します。

従来のオーソドックスな断熱材施工は

床:ポリエチレンフォーム(発砲スチロールのような物)40ミリ
壁:グラスウール100ミリ
天井:グラスウール100ミリ

床と壁が同じ外気に面するのに厚みが薄いのはおかしいと思いませんか?

その分、性能が良ければ薄くても良いと思いますが実際の性能では壁100に対して床112。

厚みと性能を掛け算しても床は壁の半分しかありません。

温かい空気は上昇するので足元は頭よりも気温が低く、断熱層も薄いため外気に床材が冷やされてしまいます。

「底冷えする」と言いますが、上記理由でダブルで寒く感じます。

なぜ床の断熱材は40ミリなの?

床タルキが45ミリ~54ミリというサイズが多く、そのタルキ間に取り付けるからです。

断熱根拠よりも材木規格・施工優先の理由です。

ついでですが、天井が100ミリというのもおかしな話です。

壁と比べると屋根は太陽角度の関係で日射の影響が倍以上あります。

なので単純に壁の倍以上の断熱性能が必要です。

壁を基準にすると床も天井も倍以上の厚みor性能が必要になります。

以前、「ダブル断熱」と言って、壁を二重断熱で天井と床は普通の断熱工法が出回りました。

完全に、売るためのパフォーマンス性を高めただけの工法で悪どいです。

断熱バランスが悪いとコストパフォーマンスも比例し、最悪結露のリスクも高まります。

施工上、厚みが増やせない場合は性能を高めるなどバランス良い=コストパフォーマンスが良い断熱施工が必須です。

「ナチュレスタイル」では

床:90ミリ(129ミリ)
壁:105ミリ
天井:250~300ミリ

理想的なバランスです。

床の129ミリというのは仕上げの床材が多孔質(断熱性の高い)の物を使用しているので合算した値です。

今回は「断熱材」に特化した内容ですが、家の断熱で一番重要な部位は「窓」です。

コストパフォーマンスが良くなる順番で言うと

1.窓 2.床断熱層 3.天井断熱層 壁は一番最後です。

*設備機器を入れると2に熱交換換気が入ってきますが機械設備とみなし省いています。

余談ですが私が小学校の頃、雪が降っていても、上はジャンパー・下は半ズボンという断熱バランスの悪い恰好をしていました・・・。

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