近年、省エネ化が家づくりにも浸透し、国の方も住宅の断熱性能を向上させようと色々な取り組みをしています。

住宅の断熱化は断熱材や窓だけでなく、設計手法でも推進されるようになってきています。

一般の方々はご存じない方も多いと思いますが、「パッシブデザイン」と言って自然エネルギー(太陽や風)を上手く取り入れる設計手法が現在では主流になっています。

私もパッシブデザインには共感しプランニング段階で取り入れています。

簡単に言うと、南側の窓を大きく取り、東西北は極力小さくする。

ただし南側の窓上には屋根の軒や庇などを取り付け、太陽光度の高い夏の日差しは遮り、低い冬の日差しは取り入れるというもの。

太陽エネルギーを最大限に活用したいのは冬であり、冬に日射取得を最大限に取り入れ、省エネ化=家計にも優しい。

設計事務所などの建物で南側のほとんど壁一面が窓になっている家を見かけます。

一般的な掃出し窓(2M×1.7M)程度の大きさだと、晴れの日には600W程度の熱エネルギーが取得できるので壁一面だとかなりのものです。

南面に掃出し窓が4~5枚分くらいの窓ばかりの家も、まれに見かけます。

600W×5か所=3000W分の熱量だとエアコン3台分くらいでしょうか。

冬でも晴れの日は無暖房で暖かいと思います。

ただし晴れの日は・・・、です。

晴れ以外の日は、窓は寒いのです・・・。

アルミ樹脂複合ペアガラスの断熱性は5ミリのグラスウール(断熱材)と同等です。

通常の壁の断熱材は100ミリですから、晴れ以外の日は1/20の壁厚で過ごすことになります。

ここで冬の日照時間(晴れている時間)が気象庁より出てたので調べてみました。

12月、1月、2月の90日間での日照時間です。

東京=608時間

福井の平均=222時間・・・。

ちなみにこの90日間での日中の時間は720時間です。

関東では日照時間が600時間以上ある地域はたくさんあります。

日本の中心、常に最先端の情報発信地である東京と同じ設計でいいのでしょうか?

福井で南面に大きな窓がたくさんある家を見ると複雑です。

もちろん窓は断熱性だけでなく、採光や景観など恩恵を受ける部分もたくさんあると思いますが、日照時間の少ない地域で画一的な設計はいかがなものかと思います。

だからといって窓を小さくして暗い家になるのは嫌ですよね。

「ナチュレの家」ではリビング以外の窓はあまり大きくせず、外気に影響されない部分での光の共有などを行います。

吹抜けやリビング内階段、2F床からの採光、室内小窓やガラスブロック、ちょっとしたことで意匠性も高く、明るく暖かい家になります。

こういう設計は建物面積が小さくても解放感を感じ、家族がつながる間取りにもなります。

5~6年前だったと思いますが、こぞって「スマートハウス」と言っていた時期がありましたが、今では「ス」の字も聞きません。

根本的に間違っていた考えだったからです。

時代と共に移り変わっていくものがありますが、流行やあこがれに流されず真実を追求し快適な家づくりをしていきたいですね。

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